着るものというのは、昔は自分の手でつくるのが当たり前でした。遠いところで生産されてそれを着ることが当たり前になってきてしまっている現在ですが、だからこそ今、自分の手で衣服をつくってみませんか?

てならい堂では、着物づくり教室をこれまで開催してきましたが、今回は、自分で和裁の技術を使ったズボンをつくる講座への参加者を募集します。講座では、先生に教わりながら、一枚の布から自分のサイズに合った和服ズボン、”たつけ”を手縫いでつくっていきます。

着るもの全てを自分でまかなうことは難しいかもしれませんが、一着でも自分でつくったものを持っていると、ものへの目線も変わるかもしれないし、何より愛着が持てるかもしれませんよ。

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教えてくれるのは、岐阜県と福井県の県境に位置する縄文時代からある石徹白(いとしろ)という集落で、そこに伝わる服の形をベースとした服づくりをしている「石徹白洋品店」さん。

今回はオンラインで現地とつなぎ、寒い冬の間に一着、全5回の講座で、石徹白に伝えられてきた直線裁断の和服ズボン”たつけ”を一緒につくっていきます。


石徹白洋品店さんは、石徹白という地域で、先人たちが積み重ねてきた知恵を学び、日本人が古来よりつくってきた直線裁ちの服を、現代のライフスタイルに合うかたちにリデザインしています。

そして、布に無駄が出ない服を、その土地の植物の色をつかって、1枚1枚の布を手作業で丁寧に大事に染めているつくり手さんです。以前、てならい堂では、草木染めのワークショップもご一緒しました。

石徹白洋品店さんは、石徹白に伝わる衣服を実際につくって販売もしていますが、手でつくることの楽しみや自分でつくったものを着る喜びを一人でも多くの方と分かち合いたい、そんな想いをもってものづくりをされています。なかなか現地も訪れにくい昨今、遠方の方でも参加しやすいように、今回、オンラインでこの講座を一緒に開催することとなりました。

石徹白洋品店さんが石徹白の地域の方から教わったつくり方を、今度はわたしたちが教わり、その心を感じていただけたらなと思います。

この講座では、ひと冬かけてひとつのズボンを仕上げていきます。工程は次のような内容を予定しています。

第1回目)
たつけ・石徹白についてのお話
採寸・寸法の出し方・布の裁断

第2回目)
基本的な縫い方のレクチャー
本縫いスタート~ふくらはぎ太さの調整方法

第3回目)
本縫い続き~ズボンの形に

第4回目)
本縫い続き~完成

第5回目)
全体のおさらい・質問会
寸法の変更の仕方・アレンジの方法

みなさんのサイズに合ったズボンをつくっていきますが、最終回ではサイズ違いのズボンのつくり方やその他アレンジの方法についてもお話を聞けますよ。

縫い始めて最初の方は、仕上がりの形が想像できず、どこを縫っているんだろう・・・と不安になってしまうかもしれませんが、終盤になるとだんだんとズボンの形がみえてきます。
一枚の布がズボンの形になった瞬間は、驚きと喜びがきっとおとずれるはず。また、普通の洋服のズボンとも、着物ともちょっと違うので、服のつくりの違いなども一緒に楽しんでいただけたらなと思います。

できるだけ全5回をみなさんには参加してもらいたいですが、当日その回にどうしても参加できない場合は、後日動画をお送りすることもできます。縫うのに時間がかかってしまう方はおうちでの宿題がでるかもしれませんが、そんなおうちでの針仕事の時間もあわせて楽しんでいただけたらと思います。

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この講座では、つくり方の冊子もあわせてお送りします。毎回こちらをみながら講座を進めますが、冊子の中身は全ページフルカラーでひとつの読み物のよう。つくり手さんの想いが詰まっているので、ぜひごゆっくりご覧いただけたらなと思います。

採寸・裁断・縫製の方法、子供たつけの寸法の出し方などだけでなく、今回つくっていただく、たつけが生まれた石徹白集落のことも載っていますよ。

できあがりのズボンは、こんなイメージです。もともとは、農作業のときに誰もがはくズボンとして使われていたもので、お尻にゆとりがあって足裾が絞られていてとても動きやすいスリムパンツです。

たつけは、直線裁断でつくる和服のズボンで、もんぺよりも古くにつくられました。動きやすいたつけは、その人ぴったりのサイズがつくれるのもポイントの一つです。当日は、その後もご自身でつくる際、いろんな人へのフィットしたサイズをどうつくれるかもお伝えしますよ。

基本的に、手縫いベースで講座をすすめます。普段ミシン縫いをしている方は、手縫いの良さを感じられると思います。

ただ、ミシンを持っている方は、ここはミシンでやるとはやいですよ、などは一緒にお伝えすることができるので、普段ミシンをお使い方はどうぞご用意くださいね。本縫いはミシンでやって、ステッチは手縫いでやったりなどもできますよ。

ズボンをつくるにあたり必要な材料は、生地・ウエストゴム・ウエスト紐・手縫い糸。生地はお好きな布を選んでお持ちいただいてもよいですし、こちらで用意することもできます。

こちらで用意した材料一式を購入いただく場合は、生地は、着尺巾(着物の布の巾)を用意させていただきます。縫った後に自分で草木染めで染めてみるのも楽しいかもしれませんね。

今回の講座の対象者は、裁縫を普段からする方ではありますが、まったくの初心者でも参加ができますよ。事前説明の動画をご覧いただき、その上で「時間がかかったとしても楽しくできそうだな」と思えたなら、ぜひご参加いただけたらなと思います。

「自分のレベルで参加できるかな・・」と不安な方は、事前説明動画を一度ご覧くださいね。

全5回と、時間をかけてじっくりならう講座ですが、本物のものづくりをしているつくり手から直接教わるチャンスです。オンラインで現地とおつなぎしますので、その想いごと技術を受け取ってくださいね。

手縫いでぎこちなさもあるかもしれませんが、自分でズボンをつくるという経験はなかなかないかもしれませんよ。

「自分の手で衣服をつくってみたい人」

「和服のズボンに興味がある人」

「ちゃんとつくり手からならってみたい人」

「おうちにいながらして、何かかならいごとをしたい人」

参加のきっかけは皆さんそれぞれであると思いますが、興味を持った方はぜひ、この機会にチャレンジしてみてください。

みなさまのご参加をお待ちしております。

★参加に際し、裁縫レベルが不安な方は、事前説明動画をご覧ください