こんにちは、てならい堂スタッフのまつもです。

暖かくなり漆の作業をするには最適な季節になってきました。同時にかぶれやすい時期でもあるので、気を付けて作業を進めていきましょう♪

【欠け・割れ編】

前回は割れの接着と欠けにコクソ漆を埋める工程を行いました。

割れはルーターを使ってホゾ切りと錆漆を行っていきます。

ホゾ切りを行うことで、後の錆漆がしっかりホゾに入り込み強度のある下地を作ることができます。

力を入れ過ぎず少しずつ削っていくことがポイントです。

力を入れ過ぎず少しずつ削っていくことがポイントです。

使っているルーターは金継ぎ用のものだそうですよ。

先端部分が細いので、痒い所に手が届く道具です。

続いては、欠けの方も進めていきます。

こちらもまずは、ペーパーやすりで凹凸を整えます。

漆の作業は漆が乾いたら、次の漆を乗せる前に必ず研ぎを行うことが基本になります。

前の工程で出来た凹凸を次の工程に残さないように、研ぎを行うことが大切です。

ホゾ切り、欠けの研ぎが終わったら錆漆を作ります。

錆漆は砥の粉と輪島地の粉(4辺地)を使います。

分量比、見た目これくらいです。

分量比、見た目これくらいです。

砥の粉と輪島地の粉に湿らせる程度の水を加えて最後に漆を加えます。漆は砥の粉輪島地の粉と同量か少なめです。

ホゾにしっかり入るように筆でつけていきます。

ホゾにしっかり入るように筆でつけていきます。

欠けの方も錆漆をつけます。

欠けの方も錆漆をつけます。

器の状況に合わせて錆漆の付け方も変えていくそうです。釉薬がしっかり掛かっている器には筆で錆漆をつけても後に掃除しやすいそうです。

割れ欠け編は以上です。

 

【蒔絵継ぎ】

前回はコクソ漆の1回目でしたが、今回は2回目。

1層目のコクソ漆は芯を作るようなイメージで形を作りました。今回作業を行う2層目は器の形に合わせていきます。また2層にすることで強度も強くなるそうです。

まずは、前回つけたコクソ漆をペーパーやすりで凹凸を整えます。

今回も生徒さん自身でコクソ漆を作っていきます。

まずは、麦漆。

小麦粉に水を加えて粘りが出てくるまで練っていきます。

↑小麦粉に水を加えて粘りが出てくるまで練っていきます。

輪島地の粉(4辺地)に水を少量(湿らす程度)加えます。量は、小麦粉に対して1/5くらい。

↑輪島地の粉(4辺地)に水を少量(湿らす程度)加えます。量は、小麦粉に対して1/5くらい。その後、瀬〆漆を小麦粉と同量、素早く混ぜていく。

麦漆が出来たら木粉とコクソ綿を加えます。

木粉は、コクソ綿を入れる前に少し混ぜておくと綿が混ざり易くなります。

コクソ綿細かくハサミで切り、まぶすように散らしながら加え、よく練ります。

↑コクソ綿は細かくハサミで切り、まぶすように散らしながら加え、よく練ります。

木粉を更に粘土状になるまで加える混ぜる。

↑木粉を更に粘土状になるまで加え、指で持てるくらいの硬さにしていく。

全体をカバーするような感じで器の形状に合わせてどのように造形するか予めイメージしながら作業を進めるていきます。

ひとまとまりでつけるって結構難しいですね。

ひとまとまりでつけるって結構難しいですね。

手袋がかなり汚れてしまうので、ティッシュなどを近くに用意してから作業すると◎

マスキングテープとラップで支えを作り、1週間~2週間常温で乾かします。

 

【応用編】

2回目の生徒さんはそれぞれ興味のある技法を試していくこともできます。

応用編にまとめてみました。

こちらは、継いだ所を使って樹木のような絵柄になるそうです。

↑こちらは、継いだ所を使って樹木のような絵柄になるそうです。器の雰囲気にも合いそうです。

こちらは、棗に卵殻と蒔絵の加飾を行うようです。

↑こちらは、棗に卵殻と蒔絵の加飾を行うようです。ブローチで学んだ卵殻が活きそうですね。

輪島沈金の手板も見せていただきました。

↑輪島沈金の手板も見せていただきました。

応用編も始まり盛りだくさんになってきましたが、生徒さんのアイディアがとっても新鮮で毎回楽しみと先生もおっしゃっています。

次回もお楽しみに!