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ほのかに江戸の香りを感じる街、神楽坂。古き良きものと新しいものが入り混じったようなちょっと変わった街です。

その神楽坂の路地の奥のそのまた奥にひっそりとたたずむ、にっぽんてならい堂の「ひみつの小店」で「はじめての錫(すず)の鋳物ワークショップ」を開催します。

富山県高岡のつくり手から譲り受けた錫の鋳物の道具一式を使って、かわいいスプーンをつくってもらいます。

グループ(4名様まで)もしくは、おひとりでご参加の場合は、最大2名様までとして、しっかりと距離をとって開催いたします。

鋳物(いもの)と言われても、ほとんどの人はなんだか分からないと思います。

鋳物とは、溶かした金属を鋳型に流して固めて作る、”鋳造技術”で作った金属製品のこと。例えば、岩手の南部鉄器の鉄瓶や鍋は鉄を溶かして作った鋳物ですし、お寺の鐘や銅像は銅を溶かして作った鋳物ですし、いつも何気なく目にしているマンホールの蓋も鋳物です。

ということで、鋳物といっても金属も色々ですが、ひみつの小店では融点が低いため溶けやすくて、扱いやすい錫という金属を使います。錫は仏具や酒器に使われていて、錫の器で飲むとお水やお酒がまろやかに感じられるとよく言われます。

この錫を溶かして、小さなスプーンを作ってみましょう。

作り方を簡単にご紹介。まずは木枠の中に型用のスプーンを置いて、周りに土を詰めていきます。しっかり押し固めるのが成功のコツ。

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下段ができたら、木枠を重ねて上段を作ります。湯道(錫を流し込むための道)用の筒を置いて、さらに土を詰めていきます。

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型用のスプーンを取って、湯道や形を整えたら、型の完成です。原理は簡単なのですが、砂を詰めてスプーンの型(砂でつくるので砂型と言います)をつくるにも、これがけっこうデリケートで力加減が意外と難しいです。きれいなスプーンができるかどうかはこの砂型の出来次第。でも、大丈夫。やっていくうちにだんだんとコツがつかめてきますよ。

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上下の型を合わせて固定したら、砂型に錫を流す緊張の一瞬!さあ、あなたのスプーンは綺麗に仕上がるのでしょうか。スタッフとしても、ぜひとも綺麗に仕上がっていて欲しいです。笑(高温のため火傷の恐れがありますので、流し入れだけはスタッフが行わせていただきます。)

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砂から取り出した状態です。スプーンの縁に錫の残りが付いてますが綺麗にやすりで取っていきます。

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磨けば磨くほど綺麗になっていきます。綺麗なスプーンになるまでには時間がかかります。おうちに帰ってからも磨き続けて下さい。

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鋳造は古くから世界各地で行われてきた技術で、日本には弥生時代に伝わってきたのではないか、とか。先ほど触れた南部鉄器のように、素材ごとに日本各地に鋳物の街がありますが、富山の高岡は江戸時代の始めから銅の鋳物で栄えた街。

この高岡のつくり手から、技術と想いを受け継いで、ひみつの小店スタッフが、スプーン作りのお手伝いをいたします。

ひみつの小店は、私たちがモノを手に入れることを見直す”きっかけ”のお店。そして、日本の地域のモノづくりにつながるの”入り口”お店でありたいと思っています。

自分でモノをつくるということは、そのモノに自分だけの物語を吹き込んでいくことだと思います。ちょっと曲がってしまったり、かけてしまったものでも、自分で作ったものだとなんだか愛着が湧いてきます。

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モノをつくる楽しさだったり、難しさだったりというものは、五感を使った体験でしか感じられません。そこから、作り手のモノに対する真剣な想いだったり、大量生産されたものと手作りのものの違いだったり、いつも何気なく見ていたモノやコトがいつも少しだけ違うようにみえてくるのだと思っています。

てならい堂のスタッフはそんな物語を皆さまと一緒に紡いでいきたいと考えています。

意外と手軽で、そして思ったより難しい錫の鋳物のスプーン作り。一度いらしてみませんか。

 

過去に開催した際の体験レポート「てならい後記」を記載しています。気になる方は是非ご覧ください。