これから漆器を使いたい、漆器に興味があるという人たちに向けて、60分という短時間で”さっくり”と、でも中身は濃密に”しっかり”と、漆器の使い心地の良さを体感しながらつくり手の話を聴く、漆器”めぐる”のおはなし会を開催します。

もちろん今、家で漆器を使っている人も、その良さを改めて見直す機会になると思います。

当日はお話し会の前後でふらりと来店いただいても直接お話を聞きながら、漆器に触れることができますので、ぜひお気軽にお越しくださいね。

私たち日本人が大切にしてきた、自然と共に暮らす考え方の詰まった”漆の器”と”漆”そのものの魅力を感じ、みなさんの生活に寄り添う漆器との出会いの場になるはずです。

会津の自然から生まれ、その自然の時間の流れと共に在る、”めぐる”の漆器。

みんなに知ってほしい「めぐる」の漆器の考え方

日本人なら誰しも漆の器に触れたことはあると思います。

かつては絢爛豪華さの象徴の様に扱われた時代もありますが、そうした時代は過ぎ、「むしろ今の方が漆器の価値は本質的だと思うんです」と教えてくれたのは、漆器ブランド「めぐる」のつくり手・貝沼さんです。

「めぐる」が生まれた福島県会津地方は日本の代表的な漆器産地の一つ。

「安く早く便利に」を突き詰めた道具が私たちの身の回りに溢れる中で、「めぐる」の漆器は、樹木の恵みを食卓に取り入れることで、自然の再生のリズムを意識できる様になるという考えで作られていました。素敵すぎると思いませんか?

この素敵な漆器のことを、つくり手から直接聞いて、触れて、感じるお話し会を開催します。

お忙しいみなさんのために60分という短時間で”さっくり”と、けれどその中身は熱量たっぷりに”しっかり”したお話になること、お約束します。

めぐるの三つ組椀。”水平”と”日月”。の2種類。色はそれぞれ4色。

禅の修行に用いられる「応量器(おうりょうき)」にヒントを得たかたちは、収納時には入れ子になり、きれいに重なります。

“手に持って口につける時の心地よさ”にこだわった漆器”めぐる”のお話会

当日は、会津で生まれた「めぐる」という漆器のつくり手の貝沼さんをお招きして、漆器「めぐる」ができるまでの過程や、ものづくりの背景について教えていただきます。

貝沼さんが知り合いから「漆器は最初に何を買ったらいい?」と聞かれることがあり、最初に買う器として間違いのないものをつくりたいと思ったことが、めぐるの開発に取り組むきっかけです。

貝沼さんが大切だと思ったのは、“手に持って口につける時の心地よさ”。

そして、その心地よさを通じて、ご飯の時間が大切になる、また、自分を大切にしてるという感覚が器を通じて生まれるということ”。なんだそうです。

そんな素敵な想いでつくられた漆器を日常使いするにあたっての、魅力や実践的アドバイス、さらには気になるお手入れやお直しについても教えてもらいましょう。

漆器の主役はなんと言っても、漆。貝沼さんたちは今、会津で漆の植林にも取り組まれているそうで、次の世代に漆をつなぐその活動についてもお聞きしたいと思います。

もちろん今、家で漆器を使っている人も、その良さを改めて見直す機会になると思います。

今や希少な日本産の漆掻き。採取後1年寝かされてから使用されます。

器の素地となるトチノキも伐採後、1年ゆっくり乾燥させてから使われるそうです。そんな時間の話をたっぷり聞かせてもらおうと思います。

前年の冬に始まり、とつきとおかの月日を経て完成する器の製作過程を教えてもらいましょう。その時間を楽しむために。

こちらが信玄弁当めぶく。蓋の表面には、ある仕掛けが。その秘密はぜひ実物を見て。

こちらも再び、ダイアローグインザダークのアテンドの人たちと作られた、おいしさを引き立てる匙。

漆器の本質をつないでいく

「めぐる」を職人さんと共に開発した漆とロックの貝沼さんは、会津でのサラリーマン生活の間に、地場産業に関わる機会があって、そこから自然と工芸、中でも漆器の魅力にはまっていき、やがて会社を興すに至りました。

特に震災後生き方を考え直す中で、自然の恵みを育てて器にしていく、自然再生のリズムと人が生きるリズムが合致しているところが面白いな、と思ったそうです。

安く速く便利な世の中、「価値」の時間単位が短くなっていく中で、漆器は、ちゃんと「価値」の時間単位を引き伸ばし、思い出させてくれる存在だと、貝沼さんはいいます。

ちゃんと自然の素材を使って器を使うことで、素材を育てることにもつながるんだという貝沼さんは、現在、漆の植林の活動もしており、漆を育てることも通して「いのちを育てて器になるという面白さ」を漆器に感じているそうです。

こうしたことこそが、漆器の本質であり、それを仕組みにしていきながら誕生したのが「めぐる」の漆器なんですね。今現在も進行形で育てられているその想いに、てならい堂も一緒につながりたいと思っています。

漆とロック代表の貝沼さん。そう、貝沼さんの会社の名前は漆とロック。この活動を見れば明らか。間違いなく、ロックの人です。

つくり手の話を聞くと、モノの見方が変わるんです

私たち日本人が大切にしてきた、自然と共に暮らす考え方の詰まった”漆の器”と”漆”そのものの魅力。そしてその”漆”への深い洞察と熱い想いが詰まってる「めぐる」。

その漆器の温もりはあたたかく、ごはんも美味しくもなる。つくり手のお話しを聞きながら、器に触れてもらい、ぜひ、実際にその良さを体感して欲しいなと思います。

実際に欲しいなと思った方は、本来受注期間は毎年3月までなのですが、今回てならい堂特別受注期間をご用意いただきましたので、ぜひ利用してください。

また、さっくりじゃなくて、もっとじっくり貝沼さんと話してみたいという人に向けては、5/25(土)にグラス片手の体験会もご用意しましたので、そちらも検討してみては。

めぐるの漆器は、ワークショップ当日はもちろんのこと、神楽坂ストアにて【5/16(金)~6/1(日)】の期間中、展示受注会もしていますので、どうぞ足を運んでくださいね。じっくり手に取って試せるチャンスです。

みなさんの生活に寄り添う漆器との出会いの場になりますように。

うるしを繋いでいく話を、みんなに聞いてほしい。