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あれ。和裁と洋裁って何が違うんでしたっけ?

辞書を引くとこうあります。【和裁(わさい)】和服(着物)を制作すること、またはその技術。なるほど。

和服を作るのが「和裁」で、洋服を作るのが「洋裁」ではあるのですが、生地の裁ち方・縫い方・使う針の種類まで、そもそも和裁と洋裁ではまったく手法が異なります。

着物は本来、全てを手縫いし仕立て直して着続けていけるもの。洋裁が「ほどけないようにしっかり縫う」のに対し、和裁では縫い直すことを前提として「ほどきやすいように縫う」のです。

さらに昔の人は、着物を羽織や布団に仕立て直し、その形を変えながら使い続けていきました。まっすぐな生地(反物)を直線で裁つので何にも使えない形のハギレが出ることはなく、そこからきんちゃく袋や小銭入れなどの小物も作っていました。着物を自分で作ったり着たりする機会が少なくなった現代の私たちですが、和裁には多くの大切なことが含まれているような気がします。

そんな和裁のココロを、実際に自らの手で針を動かして感じてみようというのが、この~初めての運針~です。
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「運針に始まり、運針に終わる」とまで言われる、和裁の基礎中の基礎、「運針」。職業和裁に必要なスピードを得るためだけでなく、着て柔らかく解いて優しいその縫い目を実現するためにも必要な技術です。もちろん、身につけるには地味で地道な鍛錬が必要なのですが、今回はプロの仕立て屋さんからプロの技を伝授してもらいます。

教えてくれるのは、仕立て屋ユニット「ツヅクキモノ」。

彼女たちから針と糸の選び方や指の使い方、針の運び方をならい、最後には簡単なふきんを作ります。

ふきん作りには、てぬぐいのワークショップで毎月ご一緒している「にじゆら」さんのてぬぐいを使います。このにじゆらさん、日本の素晴らしい染め技法や職人技術を後世にもつなげるために、まずは多くの人々にてぬぐいに触れてもらう機会を。と、“注染育プロジェクト”という取り組みをされています。今回の運針教室で用いるてぬぐいも、このプロジェクトよりご提供いただいています。

にじゆらさんの可愛い手ぬぐいの上に、自分でチクチクと一針ずつ縫い進める。ワークショップが終わったときには、運針の技術と、愛着あるふきんが手に入ります。

和裁のココロ、感じてみませんか?

過去に開催した際の体験レポート「てならい後記」を記載しています。気になる方は是非ご覧ください。

https://www.tenaraido.jp/ohanashi/wasai_unshin2105/

仕立て屋ユニット

仕立て屋ユニット”ツヅクキモノ”
「着物は決して無くならない。続いていく」という信念を 
ユニット名に託し、着物に触れる機会をもっと増やして欲しい、
もっと着物を気軽なものにしたいと願い、活動しています。

にじゆらのてぬぐい。多くの人々にてぬぐいに触れてもらう機会を。と、“注染育プロジェクト”という取り組みをされています。

にじゆらのてぬぐい。
多くの人々にてぬぐいに触れてもらう機会を。と、
“注染育プロジェクト”という取り組みをされています。


運針で仕上げたふきん。糸を入れることで強度が増し、より使いやすくなります。

運針で仕上げたふきん。
糸を入れることで強度が増し、より使いやすくなります。