“育てる道具”という言葉に惹かれます。買った時が最高!ではなくて、使うほどに良くなり、生活に馴染むものをずっと使い続けたいと思います。

革や真鍮など、育てる道具の素材にもいろいろある中で、なんといっても漆が気になります。

“拭き漆”の器と言われても、あまり馴染みがないと思いますが、私たちが漆の器と言われて最初に想像する”塗り物”の器と比べて、ずっとカジュアルで、実は自分でも作れてしまうんです。

自分で仕上げることの良さはなんといっても、のちのち自分でお手入れができることにつながっていることです。

とはいえ、漆はかぶれやすく、一人でやるにはなかなかハードルがあると思いますから、先生に習いながら、オンラインで初めて同士ワイワイやりましょう。

てならい堂でも人気の“金継ぎ”も主役は漆です。今回の拭き漆では塗料として使われますが、金継ぎでは接着剤としての役割も果たす漆は、それでいて100%天然素材。すごいぞ漆。

既に金継ぎに取り組んでいる方も、これから習おう思ってる方も、漆の扱いに慣れておくことは一石二鳥。漆がある暮らしは私たちの今後の生活に、一段上の豊かさをもたらしてくれるかもしれません。

今回は器の枚数と漆を選べます!銘々皿(約15cm)を最大3枚まで。

漆は生漆(きうるし)、黒呂色漆(くろろいろうるし)、弁柄漆(べんがらうるし)から!

皆様のお家で、自分で拭き漆しちゃいましょう。

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左が4回塗ったもの、右が5回塗ったもの。塗り重ねるほどに色が濃く、艶が増します。

漆は100%天然のものでありながら、道具の硬さや防水性を増し、木の器はもちろん、家具や家などを長持ちさせるための塗料として、古来から日本で使われてきました。

一般的な“塗り物”と言われる器は、何度も何度も漆を厚く塗り重ねることで、丈夫さとツヤを出していきますが、拭き漆は、一度塗った漆を拭き取って、木に浸透させながら何度も塗り重ねていく技法です。拭き取るので薄く仕上がり、元の木目がそのまま活かされ、木地の風合いを楽しむことができます。

漆の技法は、それぞれに長所があり、つまりは用途によって使い分けられます。(もちろん、他にも色んな技法があるわけですけども。)

てならい堂が“拭き漆”をいいなと思うポイントは、そのカジュアルさ。重すぎず、気軽な感じで、けれども天然塗料としての実力を存分に発揮してくれます。

木の塗料として一般的なのはウレタン塗装でしょう。ウレタンは平たくいえばプラスチックの一種です。せっかく木の器なのに、表面はプラスチックかーと思わなくもない。てならい堂は、自然素材原理主義ではありませんが、できるならば、自然のものを選びたいと思います。理由はそれだけでも十分じゃないでしょうか。

それに、使いごちの良さ、特に口当たりの良さはやはり漆の仕上げにはかなわないですしね。

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こちら生の漆。素手で触るとかぶれますから注意が必要です。

そんな拭き漆を自分でやってみよう、というのが今回のワークショップです。

塗って拭き取って、乾かしてまた塗って、という繰り返しですので、一日では完成しません。4〜5回くらいを目安に塗り重ねると十分な強度になるはずです。

今回は1回で漆の扱い方から塗り方を学び、お家で続けてご自身で完成させましょう。

2回目以降は同じ作業の繰り返し。とは言っても、これでいいのかなと思うことはあると思いますので、メールにて質問を受け付けますので、ご安心くださいね。

自宅で2回目以降をやっていただくのに、必要な道具一式をお渡ししますので、残った漆で箸やスプーンなど、拭き漆のアイテムをどんどん増やすこともできますね。

教えてくれるのは、てならい堂の金継ぎ教室も担当してくれている梅澤瑠美子さん。まだ若いのに漆への深い愛情を持つ、漆作家さんです。

ちなみに今回の拭き漆は漆の塗料としての機能ですが、金継ぎでは接着剤としての機能も使われます。いやー深いです、漆。

学生時代から漆を扱ってきた梅澤さんに、漆のこと、それから金継ぎのことでも、いろいろと聞いて、漆に触る意味を感じてみてください。

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漆や筆など、その後も家で拭き漆が続けられる道具を一式お持ち帰りいただきます。写真のお皿は15cmのものです。

拭き漆を自分でできるようになる。これは、なかなかできない体験かもしれません。ひとりでやると漆かぶれも心配ですしね。(かぶれについては、参加の注意をよーくご確認ください。)

そしてそして、このワークショップのポイントは、今後のお手入れが自分でできるようになる、とういことではないでしょうか。

塗り物の器に比べてカジュアルな分、毎日使って洗っていると、薄い塗膜が徐々に剥がれていくはずです。けれど、そもそも自分で塗った漆ですから、いつでも自分で塗りなおすことができますよね。これってとても大切なことだと思います。

道具を長く使い続けようとするときに、良い道具を手に入れることはもちろんですが、長く使うための知識や技術も必要となりますよね。拭き漆を身につけることで、道具の“育て上手”になること間違いなしです。

初めての拭き漆体験、オンラインでの実施です。あなたもいかがですか。

リアル開催でのワークショップの様子はこちら。
【てならい後記】漆のお皿を自分で仕上げる。はじめての拭き漆:1回目
【てならい後記】漆のお皿を自分で仕上げる。はじめての拭き漆:2回目
【てならい後記】漆のお皿を自分で仕上げる。はじめての拭き漆:10月
【てならい後記】3色の漆から選んでお皿を自分で仕上げる。初めての拭き漆:1月

手前がベンガラ、右奥が黒呂色漆での仕上げ。光の感じで違いますし、そもそも拭き方で色は変わりますので、あくまでご参考に。

手前がベンガラ、右奥が黒呂色漆での仕上げ。光の感じで違いますし、そもそも拭き方で色は変わりますので、あくまでご参考に。