こんにちは、てならい堂スタッフの小野寺です。
急に本格的な冷え込みになってまいりましたね。土曜日担当の梅澤先生から「この冬は寒くなるらしいですよ」と聞き、戦々恐々としている寒がりです。

寒い小雨の妙正寺川。柿の実はもう過熟。鴨が6羽います。

寒い小雨の妙正寺川。柿の実はもう過熟。鴨が6羽います。

染の里・おちあいで開催している金継ぎ教室の5回目。全7回のうち、気づけばもう完成間近ですね。(これまでの後記はこちらから→1回目2回目3回目4回目)
前回から、金継ぎの中でも花形工程(!?)である「塗り」の作業に入りました。参加者の皆さまも、今とても楽しいところなのではないかと思います。

今回はまず、最終的に「金・銀・錫」のどの色で仕上げるかを各自決めるところから始まります。先生のお話によれば、「銀」は0.1g=約100円に対して「金」は0.1g=約1000円とかなりの金額差があるそうです。仕上がりの色味やお財布事情と併せて悩むところですが、色見本と自分の器を見比べながら仕上がりのイメージを膨らませて、皆さま楽しそうです。

こちらが見本。右から銀・金・錫です。

こちらが見本。右から銀・金・錫です。

今、器には黒呂色漆が塗られている状態ですが、「金」で仕上げる場合は黒呂色漆→ベンガラ漆、「銀・錫」で仕上げる際はベンガラ漆→黒呂色漆の順で塗り重ねていきます。色を変えて塗り重ねるのは、塗り残しを防ぐガイドラインの役割のためです。また、ベンガラには「金」を黒呂色には「銀・錫」をのせると、それぞれ発色がよくなるそうです。

今日からは仕上げる色によって、それぞれ工程が違ってくるのですね…!

ここからは手を動かし、やすりに水をつけて漆をこする「水とぎ」を済ませた後、ベンガラ漆を塗ります。

右下がベンガラ漆の色です。

右下がベンガラ漆の色です。

塗るコツとしては、とにかく“薄く塗る”ことが鉄則。厚いと、表面にシワが寄る・中が乾かなくなるなど仕上がりに影響が出るそうです。

ここからは細い筆を持ち、シーンと集中です。
皆さまとても真剣な眼差しで、写真を撮るのもためらうぐらいの集中力でした。

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ベンガラ漆の色、良いですよね。

少し早めに終わった方が、「もっと塗りたい…」とボソっとおっしゃっていました。
これぞ金継ぎの魔力なのでしょうか。
次回は来年になりますが、まだ「塗り」の工程は残っていますので、お楽しみにとっておくことにしましょう!

てならい堂では、おうちでも本格的に楽しめる金継ぎキットを販売しております。
ひみつの小店でも販売しておりますので、是非お立ち寄りくださいね。