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愛着のもてるズボンを一着、自分の手でつくってみませんか?

このワークショップでは、石徹白という地域に伝わる伝統衣”たつけ”というズボンをつくります。

全5回で学ぶ連続ワークショップ。この秋神楽坂のお店で初開催して好評だったため、2025年も開催します!

直線裁断でつくる和服のズボンは布の無駄がなく、さらにはみなさんの体型にあわせて採寸もするため、みなさんのサイズにぴったりあったズボンです。

縫い物初めての方でも大丈夫。自分のズボンをつくってみたいという意欲のある方は、ぜひご参加ください!

着るものというのは、昔は自分の手でつくるのが当たり前でした。遠いところで生産されてそれを着ることが当たり前になってきてしまっている現在。だからこそ今、自分の手で衣服をつくるという体験をしてみませんか?

石徹白洋品店たつけ認定講師の方に教わりながら、一枚の布から直線裁断で無駄のない、自分のサイズに合った和服ズボン、”たつけ”を手縫いでつくっていきますよ。

石徹白洋品店を語るには、まず石徹白(いとしろ)について知る必要があります。

石徹白は、岐阜県と福井県の県境、標高700メートルに位置する山深く雪深い場所、日本三名山に数えられる白山の麓にある小さな集落です。白山信仰が盛んな時代には数多くの修験者が出入りしていたといいます。

そんな縄文時代から続く集落「石徹白」で、そこに伝わる服の形をベースとした服づくりをしている「石徹白洋品店」さん。長い歴史の中で積み重ねられてきた知恵や技術を現代に甦らせ、日々の暮らしの中に取り入れていく提案をしています。

そして、その土地の植物の色をつかって、1枚1枚の布を手作業で丁寧に大事に染めています。春は桜、秋は栗など、できる限り自分たちの身近な地域の植物を、自分たちの手で採取して、草木染めや藍染をおこなっています。

古くからその地に伝わってきたものに敬意の念を持ちながら自然の恵みにも感謝し、今のわたしたちにあった新しい価値を生み出そうとする石徹白洋品店さんの姿勢に、わたしたちてならい堂は共感しました。

石徹白には、上下合わせて5つの直線裁断・直線縫いの服が受け継がれてきました。これらは、いかに動きやすい服に仕立てるか、ということが考え尽くされています。直線で断つことによって、布の無駄がなく、環境負荷を最小にできる。まさに、日本の人々が培ってきた和裁の「集大成」と言えます。

そうして先人たちが積み重ねてきた知恵を学び、日本人が古来よりつくってきた直線裁ちの服を、現代のライフスタイルに合う形にリデザインしてる石徹白洋品店さん。その原点と言えるのが”たつけ”というズボンです。もともとは作業のときに誰もがはくズボンとして使われていたもので、お尻にゆとりがあって足裾が絞られているスリムパンツ。今回はそのたつけをつくっていきます。

石徹白洋品店さんとは過去に、オンラインでたつけづくりや草木染めのワークショップをご一緒しました。丁寧なものづくりをされている石徹白洋品店さんのお話はとても心に響くものがあり、参加された人から、ぜひ今度は現地に行ってみたい!といった声もちらほらあがりました。

また、神楽坂ストアで商品の展示販売も行ったり、現在もお店ではキットや完成品のたつけ含むズボンを継続して販売してますので、ワークショップ期間に限らず、気になる方はぜひお店にてチェックしてみてくださいね。

手でつくることの楽しみや自分でつくったものを着る喜びを一人でも多くの方と分かち合いたい、そんな想いをもってものづくりをされている石徹白洋品店さんは、新しく「たつけ認定制度」というのをつくられたそうで、神楽坂のお店で開催するワークショップでは、その認定講師の方からたつけづくりを教わっていきます。

認定講師とは、石徹白での2泊3日のたつけ認定講座を終了した方々で、たつけが作られてきた石徹白地区のこと、そこで暮らしてきた人々の暮らしのこと、「たつけの作り方」「たつけ作りの教え方」を学び、その後、復習のためのたつけ作りを経て認定された方々のことをいいます。

今回は、たつけ認定講師のお一人である松本さんをお呼びし、たつけのつくり方を学んでいきます。小さい頃から裁縫を独学で行い、服飾大学で4年間、服作りについて学んだ松本さんは、ファッションの中で使い捨てのように扱われている洋服について疑問を抱いた際たつけの存在を知り、その理念や歴史、作り方に感銘を受け、多くの方にこの作り方を伝授し自分で服をつくる楽しみを知ってもらいたいなという想いでたつけ認定講師になったそうです。

現在は、たつけ講師と平行して自己ブランドの商品の製作販売や 自宅でお直しやリメイクのオーダーメイドの受注製作やデザイナーアシスタントで縫製業務などの活動もされている方です。服づくりについて、わからないことがありましたら、どんどん質問して聞いてみてくださいね。

この講座では、全5回を通してひとつのズボンを仕上げていきます。手縫いベースで講座をすすめ、工程は次のような内容を予定しています。

第1回目)

たつけ・石徹白についてのお話、採寸・寸法の出し方・布の裁断

第2回目)

基本的な縫い方のレクチャー、本縫いスタート~ふくらはぎ太さの調整方法

第3回目)

本縫い続き~ズボンの形に

第4回目)

本縫い続き~完成

第5回目)

全体のおさらい・質問会、寸法の変更の仕方・アレンジの方法

たつけは、直線裁断でつくる和服のズボンで、もんぺよりも古くにつくられました。動きやすいたつけは、その人ぴったりのサイズがつくれるのもポイントの一つ。当日はみなさんのサイズに合ったズボンをつくっていきますが、最終回ではサイズ違いのズボンのつくり方やその他アレンジの方法についてもお話を聞けますよ。

縫い始めて最初の方は、仕上がりの形が想像できず、どこを縫っているんだろう・・・と不安になってしまうかもしれませんが、終盤になるとだんだんとズボンの形がみえてきます。

一枚の布がズボンの形になった瞬間は、驚きと喜びがきっとおとずれるはず。また、普通の洋服のズボンとも、着物ともちょっと違うので、服のつくりの違いなども一緒に楽しんでいただけたらなと思います。

この講座はつくり方の冊子つきとなります。毎回こちらをみながら講座を進めますが、冊子の中身は全ページフルカラーでひとつの読み物のよう。つくり手さんの想いが詰まっているので、お時間あるときにもぜひゆっくりご覧ください。採寸・裁断・縫製の方法、子供たつけの寸法の出し方などだけでなく、今回つくっていただく、たつけが生まれた石徹白集落のことも載っていますよ。

また、ズボンをつくるにあたり必要な材料は、生地・ウエストゴム・ウエスト紐・手縫い糸。生地はお好きな布を選んでお持ちいただいてもよいですし、こちらで用意することもできます。オプションでお選びください。

こちらで用意した材料一式を購入いただく場合は、生地は、着尺巾(着物の布の巾)を用意させていただきます。縫った後に自分で草木染めで染めてみるのも楽しいかもしれませんね!

今回の講座の対象者は、たつけに興味があって、作り方をならいたい人であれば、まったくの初心者でも参加ができます。ただ、経験有無に関わらず、講座内の時間で全てを縫い終わるのは難しいことが予想されるため、おうちでの宿題時間の確保ができることを参加条件とさせていただきます。

宿題に取り組む時間と根気さえあれば、縫い物の経験は問いません!「時間がかかったとしても楽しくできそうだな」と思えたなら、ぜひ参加いただけたらなと思います。講座時間だけでなく、おうちでの針仕事の時間もあわせてお楽しみくださいね。

着るもの全てを自分でまかなうことは難しいかもしれませんが、一着でも自分でつくったものを持っていると、ものへの目線も変わるかもしれないし、何より愛着が持てるかもしれません。全5回と時間をかけてじっくりならう講座ですが、対面で直接教わるチャンスです。たつけキットに興味があったけど、ひとりだとつくれる自信がない・・・・そんな方にもぜひ参加してもらいたいなと思います。

手縫いでぎこちなさもあるかもしれませんが、自分でズボンをつくるという経験はなかなかないかもしれません。興味を持った方はぜひ、この機会にチャレンジしてみてくださいね。みなさまのご参加をお待ちしております!

以前開催したたつけづくりワークショップの体験レポートもありますので、気になる方はあわせてご覧ください。

【てならい後記】石徹白に伝わる伝統衣”たつけ”をつくるワークショップ 1回目

【てならい後記】石徹白に伝わる伝統衣”たつけ”をつくるワークショップ 2回目

【てならい後記】石徹白に伝わる伝統衣”たつけ”をつくるワークショップ 3回目

【てならい後記】石徹白に伝わる伝統衣”たつけ”をつくるワークショップ 4回目

【てならい後記】石徹白に伝わる伝統衣”たつけ”をつくるワークショップ 最終回