先日、久しぶりに染め体験をしてきました。自分のハンカチやバッグが染め上がったものを見て、全く新しいものになったドキドキとこれまで以上の愛着が溢れました。

こうやって、自分の機嫌が良くなったり、思い出が蘇って、ふふっとなれたり。染めもので自分の好きなものをつくれたら、素敵ですよね。

けど、楽しい染め物もだんだん欲が出てきて、「他の染め方をやってみたい」とか、「もっといろんな色を試したい」とか、「思うままにに染めてみたい」ってなりますね。笑

そこで。「好き放題に染める。」そんなよくばりな名前がついたワークショップを開催します。

今回は引き染めと挿染めという2種類の染めをじっくり体験。あらかじめ市松模様に糊が置かれた生地に、数種類の中から染料を選んで染めていくので、出来上がりは十人十色。”染める”ことが好きな方、自由に愉しみたい方におすすめです。

もちろん自分の自由に染め上げられる体験なので、初めての方もお子さんでも楽しめますよ。

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130cmの大きな布なので、完成したら壁にかけてタペストリーとして飾れたり、テーブルやインテリアのアクセントにぴったりです。

もちろん、カットして小物として使うことも。ご希望の方向けに、今回染めてもらった布を使って、あづま袋をつくる和裁ワークショップも別日に開催します。染めと和裁を両方体験してみたい方は、ぜひ参加してみてくださいね。

場所は、江戸の染めの産地、新宿区落合で100年に渡り反物を染めてきた工房「染の里おちあい」。実際に職人さんたちが反物を染めていく”引場”という場所で、2種類の染め作業をします。

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今回の体験のポイントは、予め生地に市松模様(オリンピックのロゴにも使われた格子柄ですね)の糊が置いてあること。つまりこの糊おきされた部分には色が入りません。

その分、仕上がりの色の入り方イメージするには想像力が必要。職人さんなら難なく、なんですけどね。けど難しいけど安心してください。このイメージの難しさが、「思ったのと違う偶然の面白さ」を演出してくるんです。

体験はまずは引き染めから。4色の中からベースとなる染料を選んで、刷毛を使って染めます。そして乾燥させてから、次は挿染めです。10数色の中から好きな染料をその場で濃淡調整しながら、細い刷毛で色を挿していきます。色の組み合わせも柄の付け方も、迷ってしまうほど自由自在な上、市松模様という波乱要因があるので、仕上がりは本当に洗ってからのお楽しみです!

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そのあとの工程として”蒸し”と”洗い”が必要なのですが、今回は染めにじっくり時間をかけたいので、おちあいさんに2つの工程をお願いして、後日みなさんのもとに出来上がった布をお送りします。

ちなみに”蒸し”は、染料を完全に浸透・定着させるため、蒸し箱という大きな箱の中で高温で蒸していく工程。”洗い”は水元という場所で、市松模様におさえていた糊を落とす工程です。

そして、ご希望の方には、自分で染めた布で、さらに和裁を学びながらあづま袋をつくるワークショップも予定しています。和裁を教えてくれるのは、現役の仕立屋さんによる和裁ユニット「ツヅクキモノ」さん。

職業として着物をつくる傍ら、その着物がずっと続くことを願って、和裁教室や着物を広める取り組みを、長く続けています。

あづま袋ワークショップは全2回。1回目は基礎である運針を、2回目にあづま袋を仕立てます。初めての方も安心です。

あづま袋ワークショップは全2回。1回目は基礎である運針を、2回目にあづま袋を仕立てます。

染めも和裁も、繊細かつ根気のいる作業。染めを学び、和裁を学び、体験したあとは、街やお店で出会う染めものへの見方が変わるかもしれません。

染料の匂いや刷毛の感触、五感を分段に使って、没頭して作業する時間を体験してみてください。